アートな小鳥
「こっとりは とっても うったがすきー、えんちょーせんせー!」
「はい、なんですか」
職員室から顔を出すと、年中さんのこどもたちが手に手にできたてほやほやの小鳥を持って、どや顔してる。くーっかわいい!
この小鳥、そんじょそこらの小鳥とは訳がちがう。
紙の半分に濃いめに溶いた絵の具をたらして、その上からもう半分をかぶせて、ちょっと手の平で押して、開いてみると、これが、ロールシャッハ・テストじゃなくて、デカルコマニー。
年中さんのはデカルコマニーの翼を持った、なんともかわいく、かつアートな趣のある小鳥なんです。
数年前までは、この小鳥を平面製作(いわゆる幼稚園のお製作。私も半世紀前は毎月やってました)として、製作帳の台紙に貼り付けていたのですが、小鳥ですものねえ、飛びたいよねえ、ということで、竹ひごの先にとめてあげて、パタパタパタ、ヒューンヒューンと飛ばせてみることにしました。
製作帳を飛び出した小鳥たちは「こっとりは とっても うったがすきー」の歌に合わせて幼稚園じゅうを翔びまわっております。